医療機関・検査施設の方へ

よくあるご質問

こちらのページには、これまでTMSコンサルテーションセンターに頂きましたお問合せと回答のうち、情報共有した方が良さそうなものをピックアップし、個別性や特定性のない形に加工修正して掲載しています。

※検査データに基づくお問い合わせや、具体的な症状・疾患に関するお問い合わせについては、こちらのページでは掲載しておりません。このようなお問合せについては、TMSコンサルテーションセンターへお電話ください。
※本サイトの「Q&A」、「医療機関の方専用Q&A」にて掲載している内容については、こちらのページでは掲載しておりませんので、他のページのQ&Aコーナーも併せてご覧いただき、ご参考になさってください。

数値 データについて

Q

検査結果の数値が微妙なので、ご相談したいのですが。

A

TMSコンサルテーションセンター医師団・技師団への相談事項となります。
まずは、TMSコンサルテーションセンターへお電話ください。

検査・検査基準について

Q

初回の新生児タンデムマス・スクリーニングは、生後どれくらいまで受付可能でしょうか?

A

初回採血時期の範囲について、全国の自治体の正確なデータは把握していません。自治体から検査を委託されている施設では、特例も含めて、どこまで「初回検査」として受付するか、予め自治体と取り決めておく必要があります。
一方、日本マス・スクリーニング学会ではすべての新生児で日齢4から6での採血を推奨しています。

Q

タイで出産予定の方がおられ、新生児マススクリーニングを強く希望されておられます。良い方法がありますか。

A

1つには、自治体が公費で受け付ける場合は、指定検査機関と協議していただき、タイの出産病院で日齢4-6の検体を採取してもらって、ろ紙血検体を指定検査機関に送ってもらうことで解決可能と思われます。
別の方法としては、実費をご負担いただく方法になりますが、当協会がタイ・バンコクの2つの病院とNBSについて提携をしており、現地コーディネーターの方をご紹介することができます。この場合は、バンコクの病院から日本にろ紙血検体が送られ、日本で分析して結果をタイの病院にフィードバックします。
いずれにしても、NBSは検査だけではなく、見つかったときの対応も重要ですので、現地の医師の理解と協力は必要です。

Q

新生児期にタンデムマス・スクリーニングを受けていない児について、有料でもいいので、家族が直接、検査依頼をしてもよいでしょうか。

A

個人からの検査依頼は受け付けておりません。まず小児科を受診していただき、ご相談の上、医療機関よりご依頼下さい。

Q

検査の実施や検査施設に関するガイドラインはありますか?

A

日本マススクリーニング学会 ガイドライン/基準

http://www.jsms.gr.jp/contents02-03.html より、下記ファイルをご参照下さい。

●「タンデムマススクリーニングの検査施設基準」(学会誌213) 11_3_20131007.pdf

●「タンデムマススクリーニングの検査施設基準、検査実施基準」(学会誌233) 11_4_20140129.pdf (PDF 893KB)

Q

一次検査、二次検査、確認検査等の用語について知りたいのですが。

A

「新生児マス・スクリーニング検査システムの手引き」(日本マススクリーニング学会誌Vol.18. 1998)5.検査に関する用語」をご参照ください。

 

 

分析依頼

Q

尿中有機酸分析、アシルカルニチン分析の依頼を予定しています。どこに依頼すれば宜しいでしょうか。

A

いくつかの分析依頼先をご案内できます。
なお、どのような特殊検査を行うべきかについては、コンサル医師団への相談事項となります。
まずはTMSコンサルテーションセンターへお電話ください。

Q

アシルカルニチン分析、尿中有機酸分析について、検体は、ろ紙、血清、尿を全て送った方がいいのでしょうか?

A

血清と尿検体とでは、わかる疾患が違う為、タンデムマス・スクリーニングのデータや症状に基づいて、依頼先の医師とご相談ください。

アシルカルニチン分析については、見逃し例を防ぐためにも、ろ紙と血清の両方を送ってもらった方が望ましいです。

診断・治療方針

Q

軽微な症状があり、代謝疾患の可能性についてご相談したいのですが。

A

TMSコンサルテーションセンター医師団へのご相談事項となります。
まずは、TMSコンサルテーションセンターへお電話ください。

Q

代謝疾患が疑われる児が当医院に入院しました。前医が行った新生児スクリーニングの結果を、当院の医師も知る事ができるでしょうか?

A

前医が行った検査の実施機関にお問合せください。

検体採取

Q

採血の方法について、足底採取と手背静脈採取で差異はありますか。

A

足底採取と手背静脈採取検体で測定項目によっては差異が出るものがあるため、ガイドラインに基づいて全ての検体で足底採取されることが検査の精度管理上極めて重要になります。

Q

採血に関するガイドラインはありますか?

A

日本マススクリーニング学会 ガイドライン/基準

http://www.jsms.gr.jp/contents02-03.html より、「採血に関する基準」(学会誌8巻増刊2) 11_1_20131008.pdf をご参照下さい。

再採血・再検査

Q

他県で生まれた児が、タンデムマス・スクリーニングで再採血となって来院されました。検体は、生まれた県の検査施設に送ればいいのでしょうか。

A

地域により検査の進め方が異なる場合があります。まずは自治体にお尋ねください。

検体輸送

Q

特殊分析を依頼する検体は、どのように送ればよいでしょうか。

A

事前予約が必要です。必ず、送る前に依頼先の施設に連絡をとってから送付ください。
送付方法は、依頼先の施設の手順に沿ってお送り下さい。

検査費用

Q

尿中有機酸分析、血清や血液ろ紙のタンデムマス分析、酵素学的検査、遺伝子解析などの検査は、いずれも保険適用でしょうか。

A

尿中有機酸分析、血清や血液ろ紙のタンデムマス分析については、保険での算定が出来ます。
ただし、検査を行う機関は、特殊検査のできる保険医療機関ということになっています。現時点では保険医療機関以外で検査を行った場合はまだ認められていません。
保険点数の解釈については、各地区で微妙に異なることもありますので、疑問のある場合、地域の担当部署に確認されることをお勧めします。
酵素学的検査、遺伝子解析などの検査については、TMSコンサルテーションセンターへお電話ください。

検体保存

その他

Q

当県には、自治体が依頼しているコンサルタント医師がいます。TMSコンサルテーションセンターを利用する機会がないように思うのですが。

A

タンデムマス・スクリーニングで対象となるのは超希少疾患のため、専門家集団である当センターのコンサル医師団・技師団の間でも、1つの質問事項について、数日にわたってディスカッションが続くこともあります。

TMSコンサルテーションセンターは、地域の体制と矛盾しません。むしろ、セカンドオピニオンとして、別の専門医の意見も聞いてみたい、経験豊富な検査技師に相談してみたいと思われる方に、ご利用いただければと思います。

Q

床のワックスがけ以降、ロイシン成分のデータがおかしくなった。換気する以外に対処法があるでしょうか?

A

タンデム質量分析計を設置している測定室のワックスがけは行わないようにしてください。
測定室以外の部屋、廊下等のワックスがけを行う場合、測定室への空気の流入を最小にできるような対策をとってください。
ワックスがけ終了後に測定室内の換気を行い、この場合もワックスがけを行った部屋、廊下からの空気の流入がないような対策をとってください。
また、タンデム質量分析計には、窒素発生装置にフィルターを設置してください。(機器メーカーにご相談ください)
データに異常が認められる場合は、タンデム質量分析計の洗浄を行ってください。

Q

QC検体を用いた精度試験、PT検体を用いた技能試験とはなんですか?

A

現在、日本で、地方公共団体が指定した検査機関を対象に実施されている外部精度管理は、QC検体を用いた精度試験、PT検体を用いた技能試験の2種類です。このうち、PT試験は従来の3疾患及びタンデムマス検査のすべてを対象としています。また、QC試験はタンデムマス用の精度管理になります。

この外部精度管理の目的は、新生児マススクリーニング対象疾患の陽性者を見逃すことがないよう、検査精度の維持、向上にありますが、それぞれ試験の目的は異なります。

PT試験は、「技能試験(Proficiency Test:PT)」と呼ばれていますが、PT検体について、その中に含まれている異常検体を、それぞれの機関が「異常」(または「正常」)と判定できるかどうかを評価します。現在は、年3回、毎回10種類のPT検体の結果で評価します。

QC試験は、「精度試験(Quality Control:QC)」と呼ばれていますが、4種類の異なった濃度のQC検体を複数回測定することで、自施設と他施設との測定値の比較、日内・日間変動などのばらつき、4種類の濃度の直線性などの検査精度を確認することができます。現在は、年1回、4種類のQC検体を2重測定で10日間実施することで評価します。

なお、これまでの新生児スクリーニング精度管理の歴史については下記をご参照下さい: 日本マス・スクリーニング学会誌 16(3):11-25, 2006

もっと詳しくお知りになられたい方は、TMSコンサルテーションセンターまでお電話ください。